夏にこそ気をつけたい冷え対策〜基礎体温、自律神経、そして栄養のバランスから整える〜
「冷えは冬の悩み」――そう思っていませんか?
実は、夏こそ“見えない冷え”が忍び寄る季節です。
明日6月21日は夏至。1年の中で最も日が長く、自然界のエネルギーが満ちる頃。
本来であれば活動が高まりやすいタイミングですが、同時に、梅雨の湿気や夏の暑さによって、私たちの内側のリズムがゆらぎやすくなる時期でもあります。
たとえば、冷房の効いた室内に長時間いること。冷たい飲み物や食べ物が増えること。
そうした積み重ねが、気づかないうちに体の芯を冷やし、巡りを滞らせてしまうことがあるのです。
実際、私自身も長時間エアコンの中にいると、頭が重く感じることがあります。
それは外気の暑さとは裏腹に、体の中が静かに冷えてしまっているサインかもしれません。
この記事では、
ピラティスの観点から基礎体温を底上げする方法
精密栄養学に基づいた体を温める食材やミネラルの摂取法
腹巻などの物理的ケアや湿度対策といった日常に取り入れやすい冷え対策
といった、多角的なアプローチをご紹介します。
暑い季節だからこそ、内側をあたためる意識を大切に。
この夏を、心地よく軽やかに過ごすヒントになれば嬉しいです。
「なんで夏なのに冷えるの?」体温の基本をやさしく知ろう
暑さのなかでも、なんとなく体がだるい、手足が冷たい、寝つきが悪い。
そんな違和感を感じる方もこの時期は多いと思います。
気温が高いはずの夏でも、私たちの体は意外と冷えやすい状態にあります。
その鍵を握るのが、「基礎体温」という身体の内側の温度です。
「基礎体温」は体のエネルギー指標
基礎体温とは、体がもっともリラックスした状態(起床直後など)の深部体温のこと。
これは単に「温かい・冷たい」を測るものではなく、代謝の働きやホルモンの流れ、自律神経の調整などの状態を映し出すバロメーターでもあります。
目安としては、36.5〜37.0℃が理想とされますが、ストレスや運動不足、過度なダイエットなどで下がってしまうことも。
基礎体温が低いと、体の回復力や免疫の働き、消化吸収の効率までもが落ちてしまいます。
「冷える夏」の仕組み
では、なぜ夏に冷えやすくなるのでしょうか?
その理由には、以下のようなものがあります。
エアコンによる長時間の冷風 (皮膚表面の冷却)
冷たい飲食物による内臓の冷え
薄着や裸足での過ごし方による熱の逃げやすさ
汗とともに流れ出るミネラル不足
湿度の高さによる体温調節の誤作動
こうした環境が続くことで、体の中に「冷えのスイッチ」が入りやすくなってしまいます。
気温の高さに油断していると、じわじわと体の芯が冷えてしまう――
それが、夏の不調の正体なのです。
動いて温める。ピラティスで基礎体温を底上げする
「夏は暑いから運動は控えめに…」
そんな風に感じてしまう方も多いかもしれません。
でも実は、適度に体を動かすことこそが、夏の“内側の冷え”対策には欠かせないのです。
「基礎体温を上げる」とは、体のエンジンを回すこと
基礎体温を支えるのは、主に筋肉の活動。
とくに体幹まわりのインナーマッスルをしっかり動かすことで、代謝が高まり、体の深部から熱が生まれるようになります。
ピラティスはまさに、こうした体の芯から動かす運動として最適です。
無理にたくさん動く必要はありません。
ゆっくりとした呼吸に合わせて、じわじわと筋肉に働きかけていくことで、体の中で「熱をつくる力」が高まっていきます。
“運動しすぎない”からこそ、夏にちょうどいい
夏の運動は、ハードにやりすぎると逆に疲労や脱水を招いてしまいます。
でもピラティスは、自律神経にやさしい動きが多く、体にとって無理のない負荷で調整できるのが特徴。
たとえば…
・呼吸と一緒に肋骨を開いたり閉じたりするだけでも、内臓や横隔膜が動いて血流が促進
・骨盤をゆっくり前後に動かすだけでも、背骨のまわりの筋肉が目覚める
そんな“ちょうどいい動き”を毎日の中に少し取り入れることで、体の冷えに対する耐性が自然と育まれていきます。
食べて温める。精密栄養学とアーユルヴェーダの知恵で“夏の冷え”を内側から整える
暑い夏の日、アイスやかき氷、冷たい飲み物が無性に恋しくなりますよね。
私はラムレーズンのアイスが大好きで、普段は節制していても、夏の暑い日は我慢できずに食べてしまうことがよくあります。
もちろん、暑さを楽しむための“涼”として取り入れるのは悪いことではありません。(自己弁論込みです笑)
でも、そういった冷たいものを心地よく楽しむためにも、日頃の食生活で体温を内側から温める意識があると、体のバランスが崩れにくくなります。
この章では、アーユルヴェーダと精密栄養学の両面から、“食べて温める”冷え対策についてご紹介していきます。
体を温める「内なる火」を育てよう
アーユルヴェーダでは、アグニ(消化の火)という考え方があります。
これは、体の中で食べ物を燃やし、栄養として消化・吸収していく力のこと。
現代でいえば、「代謝力」や「酵素の働き」「血流のめぐり」とも重なります。
この“アグニ”が弱っていると、たとえ温かいものを食べても体にうまく取り込めず、未消化物(アーマ)が溜まり、冷えや疲れとして現れてきます。
体内の消化活動を焚き火に例えると
たとえば、湿った薪で火を起こそうとしても、なかなか燃えません。
一方で、乾いた薪としっかりした火種があれば、効率よく熱が広がります。
消化力もこれと同じで、体が冷えていたりストレスで弱っていると、どんなに栄養価の高い食べ物でも“うまく燃やせない”のです。
「冷やしすぎない」食事への切り替え
体を冷やすのは、冷たいものそのものだけではありません。
生野菜、果物、スムージー、冷たいドリンク…これらは一見ヘルシーですが、摂りすぎると消化の火が消えてしまいます。
おすすめは以下のような“やさしく温める食材”:
しょうが、にんにく、にら、シナモンなど体を温める香味野菜・スパイス
味噌汁やボーンブロススープ(消化を助け、体液循環も促進)
白湯(アーユルヴェーダの基本)
発酵食品(腸内環境が整うことで“代謝の土台”が安定)
精密栄養学からのサポート:冷えに効く栄養素
鉄分(代謝をサポート):レバー、赤身肉、あさり、小松菜など
マグネシウム(筋肉と神経を整える):海藻、豆類、ナッツ類
ビタミンB群(エネルギーを作る):納豆、卵、玄米
たんぱく質(熱を生み出す素材):肉、魚、豆腐など
食事は“温かくて、心地よい”が基本
夏でもスープや温かい煮物を取り入れたり、飲み物を常温〜ぬるめに調整するだけで、体の中に火を灯す感覚を取り戻せます。
食べ物そのものだけでなく、「どう食べるか」も冷えとりの大切な要素。
食卓は、日々の“内なる温活”の場と捉えてみてください。
日常でできる温活ケア
冷え対策というと、特別なことをしないといけないと思われがちですが、実は「小さな習慣」が大きな差を生みます。
お腹を冷やさない「腹巻」のすすめ
夏場はどうしても薄着になりがち。特にお腹まわりを冷やしてしまうと、消化器官の働きが弱まり、全身のエネルギー代謝にも影響します。
そんなときに役立つのが、“夏用の薄手の腹巻”。
通気性が良く、見た目にも響かないものを選べば、日中でも違和感なく使えます。
「冷房の効いた室内に長時間いると頭痛がする」という私自身の体験も、腹巻でお腹を守るようになってから、かなり軽減しました。
住まいの工夫も「温活」の一部に
夏だからといって、家の中をキンキンに冷やすのではなく、適度な温度と湿度を保ちつつ、足元を冷やさないようにすることも大切です。
たとえば、
・夕方以降は湯船に浸かる
・朝の白湯を飲む
・ひざ掛けやレッグウォーマーを取り入れる
といった小さな習慣が、冷えない体質づくりの基礎になります。
湿度対策で熟睡できる睡眠対策を
湿度が高すぎると、汗がうまく蒸発できず、体内の熱の放散が妨げられてしまいます。これが「体がだるい」「冷えが取れない」といった不調につながることも。
そこで意識したいのが、住環境の湿度コントロールです。
たとえば、
寝具を毎日干す、または布団乾燥機を活用する
日中はこまめに窓を開けて空気を入れ替える
除湿器やエアコンの除湿機能を活用する
湿度計を確認する習慣をつける
→ 快適な湿度は 50〜60%前後。梅雨〜夏場は 60%を超えないように調整すると、カビ・ダニの予防にもつながります。
体のケアと同じくらい、住まいのケアも大切にすることで、夏をより快適に過ごせるようになります。
まとめ:新しい季節、新しい整え方を
「夏は体が冷えるなんて思ってなかった」
そんな声をよく耳にします。でも実は、梅雨の湿気や冷房、自律神経の乱れによって、夏こそ“冷え”の影響を受けやすい季節なんです。
この時期こそ、自分の体に意識を向けるタイミング。
ピラティスや栄養の知恵、日々の小さな習慣を通して、内側から整える準備を始めてみませんか?
Studio U.では、7月のご予約受付が本日よりスタートしています。
代官山スタジオには新しいインストラクターも加わり、より多彩なセッションをご用意しています。
「新しい季節に、新しい挑戦をしてみたい」
「今の自分の体と、ゆっくり向き合いたい」
そんな気持ちに寄り添える時間を、私たちはいつでもお届けできるよう準備しています。
この夏、自分自身の「整え方」を一緒に見つけていきましょう。
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