“医療の当たり前”がなくなる前に― 今、私たちが考えるべきこと ―
こんにちは、AKIです。
今回は、少し時事ネタに近いテーマをコラム形式でお届けします。
ニュースで「医療崩壊」「2025年問題」といった言葉を耳にしたことはありませんか?
どこか遠い話のように感じる方も多いと思います。
実際のところ、私たちの多くは「日本の医療は世界でも優れている」「保険制度があるから安心」と信じて生活しています。
けれどその“安心”の裏で、医療現場は今、静かに限界に近づいているのです。
厚生労働省の発表によると、日本の医療費は2023年度に過去最高の47兆円を突破。
さらに2025年には団塊の世代がすべて75歳以上となり、患者数と医療需要はこれまでにない規模になると予測されています。
一方で、医師や看護師などの人材不足も深刻化し、看護師は最大で27万人が不足する可能性が指摘されています。
つまり、私たちが当たり前に思ってきた「いつでも、どこでも、すぐに診てもらえる」医療が、今後は“誰もが受けられるとは限らない”時代へと変わっていくかもしれません。
こうした現実を知っておくことが、まず第一歩です。
そして、そのうえで自分の健康をどう守っていくかを考える――
それが、これからの時代に必要な“セルフケアの意識”だと感じています。
日本の医療制度の現状~高齢化・人手不足・医療費増加が同時進行~
高齢化の加速
日本では、2025年に団塊の世代が75歳以上となり、医療・介護の需要がこれまでにない規模で増加すると予測されています。
この「2025年問題」は、人口構造の転換がもたらす社会的インパクトを象徴しています。
(例:政府・研究機関の予測では、2025年以降10年で医療・介護の需要が急増)
人材確保の難しさ
医療・福祉分野における人手不足は深刻で、専門家たちは “最大27万人の看護師が不足する可能性” を指摘しています(Layered Inc., 2025年10月報告)。
この数は、現場で「このままでは診療・ケアが維持できない」と感じている人々の声を裏付けています。
また、OECDのデータでも日本の医師数(人口1,000人あたり約2.26人)は先進国平均を下回っており、絶対数の確保が難しい構造です。
医療費と財政へのプレッシャー
医療費は、国家予算・地域財政・社会保険制度すべてにプレッシャーをかけています。
令和4年度(2022年度)では、医療給付に要した費用が21兆1,015億円、後期高齢者医療給付分が16兆4,544億円という巨額の規模にのぼりました(厚生労働省データ)。
医療費が増え続ける中、税金・保険料の負担が増え、今後は給付の縮小・自己負担の増加・地域医療の縮小などが懸念されています。
このような状況を踏まえると、「医療制度が変わる前に、私たちの意識を変える」ことがとても重要だと感じています。
アメリカの予防医療と日本の対処療法
― AIと個別化医療が変える“これからの医療のかたち” ―
日本の医療は、誰もが平等に医療を受けられる「国民皆保険制度」に支えられています。
しかしその一方で、仕組みの中心は依然として「病気になってから治す」という“対処療法”型にとどまっています。いわば、日本の医療制度は“すでに起きた不調にどう対応するか”を軸に組み立てられており、「病気を防ぐ」「体を整える」という視点ではまだ十分に整っていないのが現状です。
アメリカのアプローチ:予防+個別化医療への大転換
アメリカでは、医療費の高さや保険制度の複雑さを背景に、“病気にならないように投資する”という文化が進んでいます。
その中心となっているのが、「予防医療(Preventive Medicine)」と「個別化医療(Precision Medicine)」です。
アメリカ疾病予防管理センター(CDC)は、糖尿病・心疾患・メンタルヘルスなどの予防プログラムを国家レベルで推進し、生活習慣そのものを整える啓発を広げています。
また、AIやビッグデータ、遺伝子解析を活用した精密医療も急速に発展しており、個人の体質や代謝、ライフスタイルに合わせた医療が現実のものとなっています。
たとえば、AI診断支援や遺伝情報を活用した治療計画を行う「プレシジョン・メディスン(Precision Medicine)」市場は、2034年には約46兆円規模(約4,630億ドル)に成長すると予測されています。
この背景には、国家レベルの投資と民間企業による技術革新があり、アメリカの医療は“個々のデータに基づいた予防と治療”へと確実にシフトしています。
こちらに関しては、過去のブログで取り上げているので、気になる方はこちらもご覧ください。
日本の現状:税金はどこへ向かっているのか
一方、日本では医療費の多くが「すでに発生している医療行為」や「高齢者医療の補助」に使われており、将来に向けた“予防”や“健康投資”のための財源はまだ限られています。
厚生労働省の統計によると、2023年度の医療費は過去最高の47兆円を突破。
うち約3分の1は75歳以上の高齢者医療に充てられています。
さらに、国の一般会計においても、社会保障費(医療・介護・年金など)が歳出全体の約3割以上を占める状況です。
つまり、私たちが納める税金や保険料の多くは、「今の医療体制を維持するため」に使われており、未来の医療をつくるための投資にはまだ十分に回っていないのです。
これからの方向性
アメリカがAI・遺伝子解析・個別化医療に巨額の投資を続けているのに対し、日本は「公的保険制度による安心」を維持することに多くの予算を割いています。
どちらが正しいというわけではありません。
しかし、確実に言えるのは、“健康を守る意識”が一人ひとりに求められる時代に変わっているということです。
制度や技術が変わるよりも早く、「自分の体を知る」「日々の選択を整える」という小さな行動が、未来の医療リスクを大きく減らす力になります。
「健康は、誰かに治してもらうものではなく、自分で育てるもの」
どれだけ医療や技術が進歩しても、自分の体の声を一番近くで聞けるのは、やはり自分自身です。
どこか不調を感じたとき、「年齢のせいかな」「忙しいから仕方ない」と片づけてしまうことは、誰にでもあります。
けれど、その小さな違和感こそが、体からのメッセージ。
その声に気づけるかどうかが、健康の分かれ道になります。
私たちはつい「健康=医療」「整える=治療」と考えてしまいがちですが、本当の健康とは、日々の選択の積み重ねの中にあります。
食べるもの、動かし方、眠るリズム、考え方――
その一つひとつが未来の体をつくっていく。
そして、それを整える“きっかけ”は、誰かに与えられるものではなく、自分で気づき、動き出す瞬間にこそ生まれるのだと思います。
たとえ環境が変わっても、
医療制度が揺らいでも、
自分で整え、自分で守る力があれば、
健康は決して他人まかせにはならない。
それがこれからの時代を生きる上で、一番の「安心」なのかもしれません。
各種サービスのご案内
健康は、誰かが与えてくれるものではありません。
日々の食事、睡眠、運動、そして“自分の体と向き合う時間”――それらの積み重ねが、静かに未来の自分をつくっていきます。
どんなに医療が進化しても、体の変化を最初に感じ取るのは私たち自身です。
だからこそ、いまこの瞬間からでもできる“小さな行動”を大切にしていきたい。
朝の一杯の白湯を意識して飲む。
一日数分でも深く呼吸して体を感じる。
食事の選び方を少し変える――。
それは小さな一歩かもしれませんが、その積み重ねこそが、将来の大きな財産となります。
健康とは「結果」ではなく、「姿勢」です。
どう生きたいか、どんな体でいたいか。
それを考え、少しずつ行動していくことが、これからの時代を生きるうえで一番の“安心”になるはずです。
私たち Studio U. は、その小さな一歩を支えるために、いくつかのサービスを通して「知る」「整える」「学ぶ」を一体としてサポートしています。
▪ 健康カウンセリング
血液データや生活習慣をもとに、一人ひとりに合った食事・栄養・セルフケアを提案します。
▪ ピラティスセッション
呼吸と姿勢を整え、体の軸を取り戻す。体を通して“内側の安定”を育てる時間です。
▪ オンライン学習プラットフォーム Labo Intiu.
栄養学や、体の仕組み、ピラティスの基礎などを動画で学べる新しい学びの場。
自分のペースで健康の知識を深めたい方におすすめです。
医療制度や環境がどう変わっても、自分の体を守り、育てていける力を持っているのは“あなた自身”です。
今日から少しずつ、その意識と姿勢を一緒に育てていきましょう。
医療免責事項
本記事の内容は、一般的な健康情報や知識の共有を目的としたものであり、医師・医療機関による診断や治療に代わるものではありません。
体質や体調には個人差があります。
不調の改善や健康管理に関して不安や疑問がある場合は、必ず医師や専門家にご相談ください。